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4章:本編1⑤
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その先はさすがに危険な地形だったので諦めたのか、
師匠は猿のように木の枝につかまりながらこちらへ戻り始ってきた。
「悪い。待たせた」
山道へ戻ってくると、ズボンの土ぼこりや枯葉を払いのけながらあっけらかんと言う。
「すごいですねえ。レンジャーみたい」
楓がそう褒めると、和雄は「危ないからもうやめてくださいよ」と心配そうに詰め寄る。
「わかったわかった。もう帰ろう」と師匠は笑った。
そして楓、和雄の後についてふたたび山道を下り始める。
なにか、予感のようなものがして、僕はそのすぐ後ろについた。
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