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7章:素直な自分
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ぽつぽつと話す夏希の話を、私はただ耳を傾ける。
夏希のバイト先の人もよくは知らないし、仕事の詳しい内容だってよくは知らない私がどうこう簡単にアドバイスするのは、あまりにも安易な考えだと思ったからだ。
一通り話を終えると、「誰かに話してスッキリした…ありがとな」と、笑顔を向けた。
「…ねえ、夏希」
「ん?」
さっきより少し晴れた顔で私に視線を向ける。
「男だから彼女の前でカッコつけたい気持ち分かるけどさ、たまには弱音とか弱さ見せてもいいんじゃない?そういうのって、夏希が考えてるより、きっと嬉しいもんだよ」
「…そういうもんなのか?」
信じられない様子の夏希に、更に言葉を続ける。
「うん。表面だけじゃなくて、その人自身を少し知れた気がする。別にいつでも強い自分じゃなくたっていいじゃん。夏希はエリの彼氏なんでしょ?何で彼女に気遣ってるのよ」
「まあ…それもそうだな」
置きっぱなしにしていた酎ハイを再び口に運ぶと、「んーそうかそうか」と独り言の様にぶつぶつと呟いていた。
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