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1章:冬馬君の優しさ
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「これ…僕の番号だから。分かんなくなったら此処に連絡して」
差し出された1枚の紙には11ケタの数字が書かれていた。
「緊急連絡先みたいな感じで使っていいよ!」
「冬馬君…ありがとう!」
差し出された紙を受け取ると、再び冬馬君にお礼を言って、自分の部屋へと戻った。
ベッドへ寝転がり、携帯のアドレス帳に、もらった番号を登録する。
登録名は勿論『緊急連絡先』ではなく『冬馬君』だ。
「あ…」
登録ついでに、一通りアドレス帳を見て初めて気付いた。
「そういえば春さん、夏希、秋元さんの番号やアドレスを知らない…」
冬馬君の番号でさえ、あのやり取りがなければ知る事はなかった。
シェアハウスを出たら、私達はもう関わる事はなくなるんだろうか…そう考えたら何だか寂しい気持ちが込み上げた。
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春夏秋冬4【完結】 ©著者:みるみる
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