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1章:冬馬君の優しさ
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「うぅ…河原で寝て蚊には刺されるし、花火はほとんど出来なかったし…本当に僕は馬鹿なのかもしれない…」
腕にたっぷりとクリームを塗りながら、俯く秋元さんに
「え!?おい!冗談だって!!そんな落ち込むなよ!ほら貸せ!俺が塗ってやる」
と、焦りのあまり、よく分からない償い方をする夏希。
「花火大会の後にまた花火かあ…それはそれで面白いかもね」
夏希と秋元さんから視線を私達に向けると、春さんがにっこりと微笑んだ。
「なんだかんだで楽しかったよ…ね?」
同意を求める様に、私に顔を向ける。
「う…うん!」
咄嗟に合わせてはみたが、冬馬君との出来事で頭がいっぱいだった。
秋元さんが起きてから、シェアハウスに帰った今現在、もうすっかりいつもの冬馬君に戻っていた。
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