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1章:冬馬君の優しさ
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分かってはいても、直接言われると凹んでしまう。
段々と落ち込む私を、冬馬君は笑った。
「嘘だよ!嘘。言ったでしょ?彩ちゃんだから頼ってほしいって思えるって。彩ちゃん、場所思い出したって…あれ嘘でしょ?」
「…ごめんなさい」
「やっぱり。強く言っちゃってごめんね。でも、そうでもしないと彩ちゃんいつまでもぐるぐる迷ってそうだったから…て事で、はい」
そう言うと、私の掌に100円玉1枚と50円玉1枚が置かれた。
「え?」
「僕もさすがに走って疲れたから、これでチャラにしてあげよう!お助け代って事で」
「私が払うなら分かるけど、冬馬君払うなら意味ないじゃん」
「そういう細かい事はいーの!」
冬馬君に促され、近くの自動販売機でジュースを1本購入した。
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