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1章:冬馬君の優しさ
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翌日、昼過ぎに起きると、準備を始めた。
冬馬君から昨日教えてもらった事を書いたメモを握り締め、家を出ると、曖昧な記憶を頼りに歩き出した。
今日もバイトが休みの為、1日中自由に使える。
もし迷子になったら…と、心のどこかで心配していたせいか、1日中自由という事に何だかホッとした。
途中でお昼ご飯を済ませ、再び出発する頃には時間はもう15:00を過ぎていた。
歩き進めるものの…、全く見た事のない景色に途中で不安に襲われた。
「…あれ?此処じゃないのかな…」
来た道を引き返し、違う方向に歩いてみる。
「あれ…」
また来た道を引き返したり、「此処の風景見た気する…」というまた曖昧な記憶で、向かうものの見つからず…ぐるぐる…ぐるぐると周り、時間だけがただ過ぎて行った。
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