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11章:「結」③ (1/10)

11章:「結」③

それは今日かも知れないし、明日かも知れない。
夢を見ている少女が母親を殺すことを決めた日に、私たちはその殺意に囚われて己
の母親にその刃を向けることになるのかも知れない。
どうしたらいい? どうすればいいんだ?
自らに繰り返し問い掛けながら私は家に帰った。するべきことが見つからない。け
れど今動かなかったら取り返しのつかないことになるかも知れない。どうすればい
いのか。するべきことが見つからない。巡る思考を持て余して、どういう道順で帰
ったのかも定かではない。
兎にも角にも帰り着き、玄関からコソコソと入ると母親に見つかった。
「どこ行ってたの。もう知らないから、勝手に食べなさい」
台所にはラップで包まれた料理が置かれている。
食欲は無かったが、無理やりにでもお腹に詰め込んだ。体力こそが気力の源だ。あ
まり良くない頭にも栄養を少しだけでも回さないといけない。
食べ終わってお風呂に入る。
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怪物 ©著者:hare

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