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7章:「転」③ (1/10)

7章:「転」③

バシン、と両手で頬を張る。
パジャマを脱ぎ、急いで服を着る。
するすると皮膚の上を走る布の感触。
頭は今日するべきことを冷静に考えている。
制服に着替え終えるとドアを出て、まず妹の部屋に向かった。
「入るぞ」
妹はベッドに腰掛けたままで、もぞもぞとパジャマを脱ごうとしている最中だった。
「な、なに」
警戒する様子にも構わず、前に立って見下ろす。
「夢を見たか」
「はあ? 夢? 見てない」
たぶん。と付け加えた妹は訝しげに私の目を見る。
最近母親がやたらムカつかないか、と聞いてみたが「別に」との答え。
OK。嘘をついている様子はない。
さっさと部屋を出る。
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怪物 ©著者:hare

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