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6章:「転」② (1/11)

6章:「転」②

「そんなにポルターガイストとかに興味あるの? あたしも最近は全然だけど、む
 かし気になって色々調べたから、そっち系の本があるよ。読みたいなら貸すけど」
「是非」と言うと、先輩は「ちょい待ち」と部屋の本棚をゴソゴソと探し回って何
冊かの本を出してきてくれた。
いずれもオカルト系の雑誌の類だ。それぞれポルターガイスト現象に関する所に付
箋がついている。
礼を言って、おいとまをしようとした時、先輩が私の顔をまじまじと見つめてきた。
「あなた、ちょっと変わったね」
先輩こそ剣道部で後輩をしごいていたころからしたら、随分肉がついてしまってる
じゃないですか。
そんなことを婉曲に言ってみたが、先輩は自分のことはまったく耳に入らない様子
でブツブツと口の中で呟いている。

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怪物 ©著者:hare

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