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2章:「起」②
真っ昼間に制服だと目立つな、と思いながら歩いていると、遠くからサイレンの音
が聞こえてきた。
救急車の音だ。
そう思った瞬間、駆け出していた。
それはさっき耳鳴りがした瞬間に雷のような音が鳴った方角に向かっているような
気がしたからだ。その時にはどこから聞こえたのか分からなかったのに。
救急車のサイレンにキョロキョロとしている通行人を追い抜き、大通りを通り過ぎ
て、路地裏に入っていく。
10分ほども走っただろうか。
ざわざわとした人の気配が強くなり、角を曲がった時にその光景が飛び込んできた。
商業地から住宅地に少し入ったあたりの、寂れた2階建ての建物が並ぶ一角に救急
車の赤いライトがくるくると回っている。
周囲には割れたガラスが散乱し、何人かの人が頭や腕を押さえて道路に座り込んで
いた。野次馬がその周りをウロウロしている。
地面には血の跡がポツポツと落ちている。けれどそれ以上に私の目を惹くものが地
面に落ちていた。
石だ。
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