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7章:奇跡 (2/6)

「…ウ。コウっ!いつまで寝てるの!いい加減起きなさい!」


頭を叩かれ、目が覚めた。


カーテンを開ける音が聴こえ、部屋中に光が射し込み、掛け布団を頭から被った。


「コウっ!往生際悪いわよ!」


「…ん〜、わぁかったよ」


…って、え?
誰だ?


飛び起きた僕の視線の先には母が眉をひそめながら立っていた。


何で…何でこの人が…


「ア…アンタ…」


「早くシャワー浴びちゃいなさい。もうすぐ樹里が来ちゃうわよ」


母はそう言うと部屋から出ていった。


状況が飲み込めず、呆然と部屋を見渡した。


これは…前の僕の部屋?


ギターにパソコンに本棚に壁にかけられた制服。


一体どうなっているんだ?


ていうか、もうすぐ樹里が?!


そんな馬鹿な


樹里は確かに僕がこの手で…


混乱して部屋の中を右往左往しているとチャイムが鳴り響いた。


『いらっしゃい。ああ、今日の格好も素敵ね。コウったら今さっき起きたところなのよ。…今?部屋に居るわ』


母の話し声が玄関から聴こえ、ややあって階段を登ってくる音が近づいてきた。


心臓は爆発寸前だ。


まさか…
まさか本当に…


待ちきれずドアを開け、廊下に出ようとした。


「……っ」


心臓が止まったかと思った。


目の前には樹里が立っていたのだ。


「おはよう♪幸一郎君」


樹里はそう言うと微笑んだ。


それは四年前と何一つ変わっていなかった。

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愛証 ©著者:ゆえ

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