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71章:空を歩く男 (1/22)

71章:空を歩く男

師匠から聞いた話だ。


大学一回生の春だった。
そのころ僕は、同じ大学の先輩だったある女性につきまとっていた。

もちろんストーカーとしてではない。

初めて街なかで見かけたとき、彼女は無数の霊を連れて歩いていた。

子どもの頃から霊感が強く、様々な恐ろしい体験をしてきた僕でも、その超然とした姿には真似の出来ない底知れないものを感じた。

そしてほどなくして大学のキャンパスで彼女と再会したときに、僕の大学生活が、いや、人生が決まったと言っても過言ではなかった。

しかし言葉を交わしたはずの僕のことは、全く覚えてはいなかったのだが。

『どこかで見たような幽霊だな』

顔を見ながら、そんなことを言われたものだった。

そして、綿が水を吸うように、気がつくと僕は彼女の撒き散らす独特の、そして強烈な個性に、思想に、思考に、そして無軌道な行動に心酔していた。

いや、心酔というと少し違うかも知れない。
ある意味で、僕の、すべてだった。

師匠と呼んでつきまとっていたその彼女に、ある日こんなことを言われた。

「空を歩く男を見てこい」

そらをあるくおとこ?

一瞬きょとんとした。

そんな映画をやっていただろうか。
いや、師匠の言うことだ。なにか怪談じみた話に違いない。

その空を歩く男とやらを見つければいいのか。
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師匠シリーズ ©著者:hare

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