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61章:もういいかい② (1/23)

61章:もういいかい②

「ッてぇな!」

師匠が乱暴な口調で起き上がったその瞬間だった。

『もういいかい』

どこからともなくそんな問いかけが降ってきた。思わず二人とも動きが硬直する。視線だけを走らせて室内を観察するが、なにも目に見える異常はない。
なんだ? これからなにが起こる?

ドッドッドッ、という心臓の音を聞きながら考える。

噂ではなんと言っていた? 返事だ。返事はするのが正解か、しないのが正解か。もういいかい、に対してする返事は……

「師匠」

横目で見ると、

「黙ってろ」という一言。

緊張しながらもじっとしていると、また得体の知れないその声の余韻が空中に糸を引いたようにすうっ、と動き、今度はテレビのある壁の向こうに消えていった。

壁の向こうは外のはずだ。

はぁっ、と息を吐き、初めて自分が息を止めていたことに気づく。

師匠は間を置かずに走り出した。
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師匠シリーズ ©著者:hare

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