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31章:病院
大学2回生時、9単位。3回生時0単位。
すべて優良可の良。
俺の成績だ。
そのころ子猫をアパートで飼っていたのであるが、いわゆる部屋飼いで一切
外には出さずに育てていて、こんなことを語りかけていた。
「おまえはデカなるで。この部屋の半分くらい。食わんでや、俺」
しかしそんな教育の甲斐なく子猫はぴったり猫サイズで成長を止めた。
そのころ、まったく正しく猫は猫になり。
犬は犬になり。
春は夏になった。
しかしながら俺の大学生活は迷走を続けて、いったい何になるのやら向かう
先が見えないのだった。
その夏である。大学2回生だった。
俺の迷走の原因となっている先輩の紹介で、俺は病院でバイトをしていた。
その先輩とは、俺をオカルト道へ引きずり込んだ元凶のお方だ。
いや、そのお方は端緒にすぎず結局は自分の本能のままに俺は俺になったの
かもしれない。
「師匠、なんかいいバイトないですかね」
その一言が、その夏もオカルト一色に染め上げる元になったのは確かだ。
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