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15章:首をもがれたバッタ
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15章:首をもがれたバッタ
子どものころ、バッタの首をもいだことがある。
もがれた首はキョロキョロと触覚を動かしていたが、胴体のほうもピョンピョンと跳び回り続けた。
怖くなった俺は首を放り出して逃げだしてしまった。
その記憶がある種のトラウマになっていたが、
大学時代にそのことを思い出すような出来事があった。
怖がりのくせに怖いもの見たさが高じて、
よく心霊スポットに行った。
俺にオカルトを手ほどきした先輩がいて、俺は
師匠と呼び、尊敬したり貶したりしていた。
大学1回生の秋ごろ、その師匠と相当やばいと
いう噂の廃屋に忍び込んだ時のこと。
もとは病院だったというそこには、
夜中に誰もいないはずの廊下で足音が聞こえる、という逸話があった。
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