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10章:絵馬
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なんでですか?と聞き返すが、「足りない頭で考えろ。なんでも俺に頼んな。死ね。」と冷たい返答が返ってきた。しかしそんなことを言われたらやっぱり気になるし、
よくない、とは思いつつも俺は女の子が歩いて行った方向に向かった。要するに後をつけたわけだ。だってあの子は生身の人間だし怖いこともないだろうし。
しかしすでに遅かったようで女の子の姿はすでに無く、あたりを見回すが誰もいない。角を曲がって林のようなところに差し掛かったところで、仕方なく俺は皆のところに戻ろうとした。そのときだった。
ザクッ ザクッ ザクッ
何かが突き刺さるような音が林から聞こえた。ちょっと近付いて中のほうを覗くと、人がいた。さっきの女の子だ。女の子は地面にしゃがみこんで何かをしている。そっとちょっとだけ近付いて見てみて、俺は鳥肌が立った。
女の子は、さっきの絵馬をナイフのようなもので刺していた。絵馬には写真のようなものが重ねられている。
途中に手でも切ったのか、ナイフや絵馬に血がついている。なのに女の子は無言のまま一心不乱に絵馬をメッタ刺しにしていた。
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