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2章:巡回 (2/4)

ケイさんが休職する一月くらい前。夏のクソ暑い日のこと、俺は夜勤のケイさんに付き合わされて夜の巡回をしていた。
ケイさんに3階の見回りを命令された俺はひとつひとつ部屋を見て周り、異常がないのを確認すると、上にあがる為エレベーターを待っていた。
ウチの職場は、脱走癖のある患者や痴呆の患者が集められている3階のエレベーターには暗証番号式のロックが掛かっているんだが、これがなかなか面倒臭い。
他の階に行く度に暗証番号を打ってエレベーターに乗らなきゃいけないし、打ってるあいだに止まっていたエレベーターが動き出して中々来ない…なんてことがよくある。
階段もドアに鍵が掛かってるし、面倒なこと極まりない。
ただ、ケイさんいわく、このロックにはただ患者の脱走防止のためだけにあるわけではないらしい。
なんでも痴呆がある人ってのは「そうゆうもの」を呼び寄せやすいらしく、つまりウチの病院の3階は幽霊だの何だのがめちゃめちゃいらっしゃってる場所なのだと。
そして、「そうゆうもの」を引き連れた3階の患者が他の階に「そうゆうもの」を置いていかないように隔離しているんだと。
かなり嘘くさい話だし、俺自身その話聞いたときは鼻で笑った。でも、深夜にその3階でエレベーターを待っている身としては思い出すと結構怖かったりする。
だいたい、そんな話をしておきながら3階の巡回を命じるケイさんはやはり鬼畜だと思う。
まあそんなわけで、俺はガクブルしながらエレベーターが降りてくんのを待っていた。7、6、5…だんだん下がってくる。
そんとき、4階でエレベーターが止まった。ケイさんが乗ってきたのかと思い意味もなく身構える。すると
廊下の奥からキィー、キィーと車イスの音が聞こえてきた。暗くて見えないが、ああ誰かトイレでも行くのかな。と思った。
ちょうどそのとき、エレベーターのドアが開いた。
ケイさんが出てくる、と思ったが出てこない。あれ、おかしい。なんで出てこないんだ。
そう思いながら乗り込み、ケイさんがいる4階へ向かった。
車イスの音はまだかすかに聞こえていたが、次第に聞こえなくなっていた。

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ケイさん ©著者:hare

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