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5章:四つの顔⑤
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5章:四つの顔⑤
三ヶ月が経った。
あれからついに山下さんの姿を見ることはなかった。失踪したのだ。仕事先にも告げずにいなくなったらしいということを沢田さんから聞かされた。
しばらくは新聞やテレビで地元の傷害事件のニュースがあるたびに山下さんが関わってはいないかと恐れたものだったが、杞憂に終わっている。
アパートの部屋は保証人になっていた家族が片付けたそうだ。今はその部屋にはそんな経緯も知らない新しい住人が入っている。
春になり、有形無形の様々な別れがやってきた。
看護婦をしていた沢田さんが実家のある県外の別の病院へ移ることになり、オカルトフォーラムのメンバーでお別れ会と称したオフ会を開いた。
人当たりも良く、オカルティックな話題を多く提供してくれた功労者ならではの扱いだった。
沢田さんは散々回りからお酒を注がれてかなり酔いが回ったらしく、口数が減ってきたかと思うと外の空気が吸いたいと言い出したので俺が付き添って居酒屋の外に出た。
主役がいなくても盛り上がっている宴席を尻目に沢田さんは歩道に植樹されたケヤキにもたれかかるようにして立っている。
「吐きますか」と訊いて近づこうとした俺に彼女は頭を振って、かわりに「電話があった」と言った。
「誰からです」
「山下さん」
一瞬誰のことか分からなかった。ヤマシタさん。ヤマシタさん?
「元気か、なんて言うから、どこにいるのって怒鳴ってやったら、部屋にいるよ、って」
山下さんって、あの山下さんなのか。
「いるわけないじゃない。あの部屋、もう他の人が住んでるんだし。そう言ってやったら、そんなはずはないって笑うの。ぼくはずっとここにいるって」
半ば覚悟していた狂気に寒気がするのと同時に、妙な符合が頭に引っ掛かる。
最初に沢田さんと部屋を訪ねた時、俺たちがそこにいたと思われる時間帯に書き込みがあったこと。その俺たちをどこかで見ていたかのようなその内容。そして玄関の靴。
まるで目に見えない彼がひっそりとそこにいたかのような。
「なにしてたのって訊いたら、ずっと探して回ってたって」
なにを? 決まっている。Dだ。
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四つの顔 ©著者:hare
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