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3章:四つの顔③
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3章:四つの顔③
躊躇しかけて、なんとかそれを振り払うと半分閉まったドアを開け放つ。
沢田さんが小刻みに身体を震わせながら立っている背中が目に入る。その肩越しに、洗面所の鏡があった。
その真ん中が割られていて、放射状に亀裂が伸びている。怯える沢田さんの顔がまるで切り裂かれたように不鮮明に映っていた。
俺も固まりかけたが、嫌な予感がしてすぐさま風呂場の戸に手を掛ける。思い切って開け放つと、ひんやりした空気が顔に当たった。
中には誰もいなかった。湯船の蓋は取られ、お湯も張られていない。
はあ、という声がしてそれが自分の出した安堵のため息だと気付くまで少し時間が掛かった。
「どうして、これ、こんな」
割れた鏡の前で棒立ちになっている沢田さんに「大丈夫です」と無責任な声を掛ける。
他に異常はないかと部屋のすべての場所を確認して回ったが結局なにも見つけられなかった。
他人の部屋で勝手に家捜しをすることに対する引け目をあまり感じなかったのは、あまりに生活感のない空間だったからだろうか。
しばらくして落ち着いた沢田さんに「もう帰りましょう」と言うと、軽く笑って頷いた。
山下さんの携帯は相変わらず通じないし、部屋に帰ってくる様子もなかったが、なにかの事件に巻き込まれたと判断するには材料が乏しすぎる。
割れた鏡は気になったけれど物取りや暴漢に襲われたにしては部屋の中に全く荒らされた形跡がない。
この程度で警察に連絡しては山下さんにとっても迷惑だろうという判断をせざるを得なかった。
ただあれだけ神経質に部屋を整理整頓している人が、どうして割れた鏡をそのままにしているのか、それだけはよく分からない。
『Dが増えている』という書き込みをしてから、山下さんは鍵も掛けずに出て行った。
まるで何かから逃げるように。鏡はその時割れたのか。割ったのは誰?
あれこれ考えているとまた薄気味悪くなってくる。沢田さんにつつかれて我に返ると玄関に向かった。
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四つの顔 ©著者:hare
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