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8章:夢鬼⑧ (1/9)

8章:夢鬼⑧

「〇〇!」

俺達は寺を出る。寺の前で待っていたのは、俺達の両親と先生達だった。

母は俺を見て、名前を叫び、抱きついた。
そして俺を思い切り叩く・・・母の目には涙が滲んでいた・・・


母「本当にあなたって子は!・・・自分が何をしたか分かっているの!
あれ程夢鬼とは怖いものと教えてきたのに・・・」

俺「ごめんなさい・・・ごめんなさいお母さん・・・でも俺・・・俺・・・
こんな事になるなんて思ってもいなかったんだ・・・」


そう、母に言い、俺は泣き喚いた・・・本当に知らなかったんだ・・・

そして本当に怖かったんだ・・・
久しぶりに母の顔を見たような気がした・・・

母の後ろには父が立っていた。父は俺から目を反らし、上を見ていた・・・
多分、俺に涙を見せたくなかったのだろう・・・

スーツ姿の父。仕事など後回しで来てくれたのだろう・・・

俺はこの時だけは、夢鬼の事について忘れていたかもしれない。
母と父を見たら、ものすごく安心したのをよく覚えている。

でもそんな事などすぐに消えた・・・

Eが居ない・・・

俺は周りを見渡す。居るのはE以外の親達。そして俺達と先生達、住職、男だけだった。

Eの親、Eはどこにも居なかった・・・

他の皆も、親達に抱きつかれ、泣いていた。
多分皆も俺と同じ気持ちだったのかもしれない。


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夢鬼 ©著者:hare

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