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1章:ノッポな人形
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1章:ノッポな人形
中学二年の秋口、俺は勉強や部活そっちのけでオカルトにはまっていた。
そのきっかけになったのが近所に住んでいた従姉妹で、この人と一緒にいたせいで何度かおかしな体験をした。
これはその中のひとつ。
夏休みも終わり、ひと月が経とうとしている頃だった。
俺は従姉妹に誘われ、家から一時間ほどの場所にあるケヤキの森に来ていた。
美人だが無口でオカルト好きな従姉妹は取っつきにくく、正直二人でいるのは苦手だったが、従姉妹が買ったバイクに乗せて貰えるので誘いにのった。
ケヤキの森は、周辺では有名な心霊スポットで、曰わく今は使われていない製材所で夜毎手首を探す男が出る、曰わく森の中ほどに位置する沼には死体が幾つも沈んでいるといった調子で怪談にはことかかなかった。
そうでなくても木々が鬱蒼と茂り、昼でも薄暗い様子は一人きりで放り出されたような不気味なものがあった。
従姉妹が俺を誘ったのもオカルト要素たっぷりのスポットを探検したいがためだった。
森の内部に踏み入るにつれ道は狭く細くなり、やがて獣道同然の心許ないものになった。
俺は既に腰が引けていたのだが、従姉妹が躊躇いなく進んでいくので仕方なくついていった。
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