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10章:暗闇の心
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「彩ちゃんこっち!こっち!」
人混みをかき分けながら、声のする方向へと向かう。
イチャつくカップルや、家族の波をようやくかき分けると、そこには笑顔で迎える冬馬君の姿が見えた。
「あはは!見る前から疲れちゃ駄目だよ〜!時間はまだまだあるんだから」
暑さと人混みに酔った私に、からかう様に冬馬君は笑った。
「でもごめんね。今日バイト休み取れたら良かったんだけどさ、希望休取りたい人が多すぎて…ほら、僕年下だから…」
「先輩に譲ったと…」
「そういう事!て事で、お詫びにかき氷でも食べようよ!」
「本当は冬馬君が食べたいんでしょ?」
「ばれた?」
はぐれてしまいそうな人混みの中、冬馬君はちゃんと隣を歩く私を確認しながら、かき氷が売っている出店へと歩いた。
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春夏秋冬3 ©著者:みるみる
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