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9章:約束
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今年の夏希の誕生日も無事成功に終わり、去年以上にまだまだ暑い日が続いた。
バイトが休みの私は、今日もいつもの様に冬馬君と夕ご飯の支度を始めた。
「暑い時ってあまりガス使いたくないよね…」
「食べると涼しいんだけどね…調理の過程が地獄だよ…」
鍋からむわっと広がる熱気に包まれながら、素麺を茹でる。
「彩ちゃん、来週の花火大会一緒に行かない?」
「…ぇえ!?」
暑さと湯気の熱気で、ぼーっとしていた頭に舞い込んだ突然の誘いに、思わず間抜けな声を出してしまった。
「あ…ごめん。嫌だった?」
しょんぼりとした顔で、再び素麺を掻き回す冬馬君の姿を見て、慌てて
「ち…違う違う!嫌じゃないよ!ごめん!ぼーっとしてたの!!本当嫌とかじゃないからね?」
と、必死に弁解する私に、嬉しそうに「なら良かった」と、微笑んだ。
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春夏秋冬3 ©著者:みるみる
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