8章:恋には恋を？ (3/10)

男を忘れるには男！

過去の恋愛を忘れるには新しい恋！


「…やっぱそうなのかなあ」


ぐるんと体勢を変えると、今までの事を振り返った。

確かに、あの時春さんを祝福した気持ちに嘘偽りはなく、心の底から良かったと思った。

そう思えたのは、月日が経つにつれて忘れられてきたのか…
それとも、夏希という新たに好きな人が出来た時点から…春さんに振られた時の傷が月日が経つにつれて癒えてきたのか…


「あああ！分からないよー」


でももし…夏希を好きになった時点で忘れられてきたなら…忘れるには新しい恋っていう手もあるよね！

ん？でもそれって、自分の都合で相手を利用してるみたいじゃん！！それも嫌だなあ…うーん…


右から左へと、体を揺らしながら考えていると、リビングの扉付近から笑い声が聞こえた。