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19章:遺書 (7/7)

死体安置室は地下にあった。


薄暗い廊下を進む。


全身が震え、冷たい汗が吹き出る。


警官は、重々しい扉を開けると「どうぞ」と言って先に俺を通した。


金属製の台に横たわる人。


白い布が全身に掛けられている。


頭上には線香が立てられ、それは紛れもなく死の香りがした。


俺は無言で近付き、顔に掛けてあった布をそっと捲った。


そこには、とても穏やかな冴子の死に顔があった。


嘘だろ..........?
冴ちゃん..........?

ほんとは生きてるんだろ?


そんな俺の心の声を警官が打ち消した。


「薬物過剰摂取により、嘔吐した薬が肺に詰まったそうです。急性肺炎を起こしての窒息死という事ですね」


「.....苦しんだんでしょうか?」


「そりゃ、窒息死ですからね」


それを聞いた途端、俺の理性は吹っ飛んだ。


「あああああっっ!!俺は人殺しだ!!」


絶叫し、泣くだけ泣いた。


どのくらい時がたったのだろう。


涙も枯れ果てた俺は、そっと冴子の髪を撫で、色を失った口唇にkissをした。


最初で最後の冷たいkissだった。




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桜の木の下で ©著者:僚

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