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18章:一緒に
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翌日の深夜に待ち合わせたのは、いつもの猫公園だった。
桜の木の下で逝きたいと冴子が言ったからだ。
自転車は迷惑になるだろうと、俺は最後の贅沢にタクシーに乗った。
幸いな事に運転手は無口だった。
冴子は、少し遅れたが、多量の睡眠薬を持って来た。
俺の分と冴子の分。
それぞれ小瓶に入れてある。
「前に失敗してるからね。これなら確実に楽に死ねるわ」
桜の木の根元に座ると、冴子はバックから赤いバンダナを取り出して言った。
「来世では一緒になれますように。これが、最後のわがままよ。いいでしょう?」
俺の患った右手と、冴子の麻痺した左手の手首を固く結ぶ。
「あの時、もう、こんな事はしないでって約束させたのに..........俺のせいで..........」
「英司だけのせいじゃないわ。私が馬鹿だったのよ。でも、こうして英司と逝けるなら、もう何も思い残す事はないし幸せだわ」
微笑んでみせる冴子がとても悲しく見えた。
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桜の木の下で ©著者:僚
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