ホスト,キャバ,風俗等のちょっと大人の無料ケータイ小説!PC,スマホ、ガラケー全対応!

18章:一緒に (2/3)


翌日の深夜に待ち合わせたのは、いつもの猫公園だった。


桜の木の下で逝きたいと冴子が言ったからだ。


自転車は迷惑になるだろうと、俺は最後の贅沢にタクシーに乗った。


幸いな事に運転手は無口だった。


冴子は、少し遅れたが、多量の睡眠薬を持って来た。
 


俺の分と冴子の分。
それぞれ小瓶に入れてある。



「前に失敗してるからね。これなら確実に楽に死ねるわ」


桜の木の根元に座ると、冴子はバックから赤いバンダナを取り出して言った。


「来世では一緒になれますように。これが、最後のわがままよ。いいでしょう?」


俺の患った右手と、冴子の麻痺した左手の手首を固く結ぶ。



「あの時、もう、こんな事はしないでって約束させたのに..........俺のせいで..........」


「英司だけのせいじゃないわ。私が馬鹿だったのよ。でも、こうして英司と逝けるなら、もう何も思い残す事はないし幸せだわ」


微笑んでみせる冴子がとても悲しく見えた。
88 /103

※この小説を友だちに教える⇒メール

いいね LINEで送る

桜の木の下で ©著者:僚

夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
PC,スマホ、ガラケーで全ての機能が利用できます!

Copyright © hostlove.com All Rights Reserved.