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12章:恐怖
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「いったい、祐也が何をしたっていうんだ?!」
組長は表情ひとつ変えずに淡々と言った。
「明日の正午までに100万円持って来い」
「はぁ??? 」
「そいつは組の金を使い込んだんだよ。競馬にパチンコ。おまえ、ダチなら見捨てねぇよなぁ??約束の時間まで来なかったら祐也の命はねぇし、おまえも覚悟しとけよ」
なんてこった..........。
祐也、ほんとなのか??
赤いアロハシャツ野郎が、一言も返せないで立ち尽くす俺の腕を掴んで部屋の外へ放り出した。
それからどうやって自分の部屋に帰って来たのか覚えていない。
時計を見ると、もう午後11時を回っている。
『MOON』に行く支度をしなくては。
100万円なんて一晩で用意出来るはずがない。
きっとこれが最後の出勤になるだろう。
今夜は冴子の来店予定は無い。
俺は真っ白な頭のままで『MOON』に向かった。
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