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10章:告白
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「ふふふ.....」
突然、冴子が可笑しそうに笑った。
何なんだよっ?!
「そんなに深刻に考えなくていいわよ。私はこうして生きてるんだから」
そういう問題じゃないだろ。
「もう、こんな事はしないと約束して。今度やったら知らないよ」
俺は、冴子の頭をポンポンと叩き小指を差し出した。
「約束して」
「分かった。もうしない。また就職活動チャレンジするわね」
「そんなん、体治してから考えてよ」
冴子も小指を差し出して俺の指に絡める。
驚くほど冷たく、手の甲に刺された点滴の針が痛々しかった。
「じゃあ、もう帰るけど、明日退院したら連絡して」
「うん。来てくれてありがとう」
俺はもう一度ポンポンと冴子の頭を叩き、背を向けた。
こんな俺にも良心が残っていたのか、少しばかり胸が痛む。
外に出ると蒸し暑く、体中から汗が噴き出した。
なんだか疲れた。
俺はその夜『MOON』をズル休みした。
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