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8章:依存
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俺は不思議で仕方なかった。
今まで幾ら使わせたか分からない。
それなのに、冴子は色恋ひとつ求めては来ないのだ。
ただ、1日1度のメールに、愛してるとか大好きだとか入っているだけ。
勿論、俺はノーコメントだ。
睡眠や仕事の邪魔になるからと、冴子は電話もかけて来ない。
俺はもっと冴子に金を使わせてやろうと思った。
来月には店を辞めるから今月だけね。
と騙し続けた。
冴子が酔って意識のない間に、勝手にベリエやドンペリなどの高級酒を開け、とんでもない会計にする。
冴子が少しでも文句めいた事を口にしたら、ひっぱたいたり、腕を捻りあげたりして黙らせた。
同伴もどきをして、美酒を飲み、明け方タクシーにぶち込めばそれで仕事は終了。
楽なもんだ。
こんな仕事辞められない。
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