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7章:嘘
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2時間後、俺と冴子は『MOON 』近くの寿司屋にいた。
案の定、冴子は喜びはしゃいでいる。
食事の途中ではあったが、俺は箸を止め神妙な顔で話を切り出した。
「実は話があるんだ。冴ちゃんにしか言えない話」
「何かしら?」
冴子も箸を置き、俺を見つめる。
「俺に子供がいるのは知ってるでしょ?.....小学1年の長男が、喧嘩して相手に怪我を負わせてしまったんだ」
「まあ.....」
冴子は口元に手を当て驚いている様子だ。
「それが、まずい事に怪我をさせたのは右目でね。失明の恐れもあるらしい。子供のした事だし、親御さんは示談にしてくれると言ってる。だけどそれには示談金がいるんだ」
冴子の顔が曇るのが分かった。
俺は俯いたまま話を続けた。
「200万何とかならないかな?」
そのまま時だけが過ぎる。
先に沈黙を破ったのは冴子だった。
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