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3章:出会い
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それから3ヵ月。
俺は、翔への意地だけで『MOON』に出勤し続けた。
しかし、俺の口下手は相変わらずでお客を怒らせる事もしばしば。
中には二度と付かなくていいと言う客さえいた。
カラオケはあったけど、何とかなると思っていた歌も、他の従業員の方が上手かった。
『MOON』は痛客の宝庫で、他店を出入り禁止になった客も多く、俺は段々心が荒んで行くのを感じていた。
翔はいつも王様気取り。
火の付いた魂もくすぶるだけで真っ黒になった感じだ。
オカマの客に下ネタを5時間も聞かされ、恐らくは薬でもやってるであろうデリヘル嬢にグラスを投げつけられ、何でこんな目に合わなくてはいけないのかとつくづく嫌気が差した。
代表は殆ど顔を見せず、ろくに話した事も無い。
新しい従業員も入らず、一番年上の俺がずっと新入りのままだった。
お客が1人もいないのも俺だけ。
たまに新規のお客が来ても、マネージャーか翔、他の従業員が自分の客にしてしまう。
潮時という言葉が頭から離れなかった。
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