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1章:アルバイト (4/4)

シャワーが済んだ俺は、時計とにらめっこして時を過ごした。


しかし、いつの間にか、気絶し
て眠ってしまったらしい。


ブブブブーン、ブブブブーン.....。


ん?


手に持っていた携帯のバイブで俺は目を覚ました。


時刻は深夜12時。


知らない番号である。
こんな時間に非常識な。


「はい、どちらさん?」


俺は目一杯凄みをきかせて電話を受けた。


我ながら素晴らしい低音の魅力。


『MOONのマネージャーの田中と申します。先程お電話頂いたようですが、アルバイトの件ですか?』


眠気はいっぺんに吹き飛んだ。
俺はほんと馬鹿だ。


「は、は、はいそうです」


声は1オクターブ上がっていた。


『これから面接に来れますか?履歴書と身分証が必要なんですが』


考えたら当たり前の話だ。


「あ、あのー、明日でも大丈夫ですか?」


『ええ、お名前と年齢だけ教えて頂けますか?』


「高瀬英司。29歳です」


『29歳?こういう仕事は初めてですか?』


むっ!
やはり年齢が問題なのか?
俺はオヤジなのか?


「初めてですけど頑張ります」


『分かりました。詳しい話はまた明日。お待ちしてますね』


電話を切ると、体中から変な汗が噴き出した。


意外と俺は小心者だな。

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桜の木の下で ©著者:僚

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