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9章:見えないヒビ
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「…冬馬と喧嘩でもしたの?」
長い沈黙の後、春さんが問い掛けた。
「え!?」
「いや、ごめん。気になってね…。前聞いた時と全く2人の仲が変わってないからさ。やっぱ何かあったのかなあ…って。冬馬も最近元気ないから」
「喧嘩は…してないです。けど…」
「…けど?」
「んー私がいけないんです」
「何でそう思うの?」
洗濯機に戻していた視線を、また春さんに戻した。
「何か、どう接していいか分からなくなって…、ずるずるとしてたら…こんな事に…」
「んー…でもさ…」
「…はい」
「…よく状況というか…理由は分からないから何とも言えないけど、彩ちゃんがどう接していいか分からないであやふやにしてたら、冬馬もどう接していいか分からないんじゃないかな?どっちかが勇気出して歩み寄らないと、今の関係のままじゃないかな」
「そう…ですよね」
洗濯機から音が鳴ると、しゃがんでいた腰を上げ、「さすがに女の子の洗濯物を取り込む所は見れないから」と、洗面所の入口へと向かった。
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春夏秋冬2 ©著者:みるみる
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