2章:恋はネガティブ！？ (10/12)

「話は彩ちゃんから聞いてるよ〜」

「…話？ですか？」

「あぁああ！！あまり余計な事言わないで下さいよ？」


常連さんに釘を刺し、今日は春さんが来ているから仕事をいつもよりハリきってやる私！！…を、『いつもそれくらい働いてちょうだい』と、目で訴える奥さん。


「彩ちゃん、春くん春くんって凄くてねえ〜」

「ちょ…ちょっと！」


止めはするが、あれから何杯も飲み、顔面真っ赤になるまで酔っ払た常連さんにはセーブがきかない。


「春さんカッコイイー！春さん素敵ー！って凄いんだよ！あははは！いや〜俺もこんなイケメンになりたかったよ〜」


常連さんの言葉に、にこやかに対応する春さん。


「…で、春くんは彩ちゃんの事どう思ってるんだい？」

「ぇえ！？ちょっと…それは…」


聞きたい様な、聞きたくない様な…。


運び終わった空のお盆を、胸に抱き締め、春さんの答えを待った。