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10章:運命のヒト
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10章:運命のヒト
5月23日 は
或る方の誕生日であった。昨年の誕生日には花を贈りその前には誕生日祝いをした。
とある店に予約をし
デザートの皿には
お祝いメッセージを。
誕生日プレゼントには
LVマークの財布とバッグ、
バッグに似合うアクセサリー
とても喜んでくれたっけ。
この日は、ボクの第二誕生日でもある。
第二誕生日…とは、
父姓から母姓になった日
ボクは、この人との
出会い、を運命と感じた。運命と信じた。
運命のヒト、だと。
やっと、出会えた。
ボクは、見つけて選んでもらった、と。
でも…今年の誕生日は
ボクはお祝い出来なかった。
一年前は、来年も再来年も…
ずっと、お祝いしたいなって
思っていたのに、ね。
笑顔が大好きだった。
笑い声が大好きだった。
黙っていても、
ただ隣にいて、息吹を
感じるだけで幸せだった。
全て大好きだった。
それは、今も変わらない。
永遠や絶対なんて、
やっぱりなかったんだね。
あなたの幸せ、を
祈ります。
想いや願いも、
どんなにどんなに重ねても
届かないんだね。
出来るならば、もう一度
あなたにもう一度
会いたかった。
愛してる、と言いたかった。
幸せ、になってね。
ボクの、最初で最後の
運命のヒト、よ。
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犀の角のように… ©著者:真樹秋介
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