10章:漆喰 (2/7)

返り血にまみれた拳を服に拭う
俺の白いTシャツは紅い斑点が奇妙に広がる


また…やってしまった


幼い頃
綾に襲いかかる犬を滅多打ちにして殺した事がある

チンネンに止められるまで俺はぐしゃぐしゃに潰れた犬の頭を石に打ち付けていた


中学校の時チンネンが、裸にされた時も八人相手に暴れまくり。
三人を病院送りにした



一度キレると止まらない 危ない奴

地元に居る間中言われるだろう


構わない

ただ…止まらない自分が恐い

血を見たくて止まらなくなる

ぐちゃぐちゃに潰れる感覚に爽快感さえ感じる

痛みすら感じず
ただ殺したくなるんだ