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1章:日常茶飯事 (9/9)


『この車…定員オーバーでもう乗れないっすよ。』

『どうゆうこと?』

キョトンとするけいちゃんに『見えてるだけでも11人は乗ってる。まぁ…12人目になりたきゃ、乗っても構わないですがね』
と説明した

『まぢ…お祓い出来ないのかよ?先輩から譲り受けた大事な車なんだよ…』

諦めの悪い男だ

『その先輩どうしてる?』

『…自殺した』


『帰るわっ。俺の手に負える品物じゃない。』
クルッと背を向けチンネンの手を引き歩き出そうとした時


『待てよ…』
けいちゃんの声じゃない声が俺を呼び止める

太くしゃがれた声

『知らねぇよ』
振り返ると目の前にけいちゃんにおぶさる先輩

先輩の顔
目も口も鼻も窪み
表情すら読みとれない


『あちゃー。チンネン憑依してるわ』
チンネンを見ると数珠を持つ手がガタガタ震えている


『おじさんに頼もうぜ。とりあえず…縛るかっ』
ウンウンと何度も頷くチンネンと固まってるオカルトクラブの奴らに
『捕まえろ』と指示する

『遼太先に行けよ…』
オカルトクラブの奴らは渋々けいちゃんに手をかける

暴れるけいちゃん
押さえつけるヘナチョコ連中

ガタイのいいけいちゃんが、振り切りそうになったので、腹に一発蹴りを入れた


『ちょっとけいちゃんになにするのよ
少女Aにビンタされたが、無事にけいちゃんを大人しくさせおじさんに電話した。

『おじさん…憑依見つけちゃったんですけど…』
おじさんは穏やかな声で 『そちらに向かってる』と言った


駐車場の車からは窓を叩く音が鳴り止まない


『うるせー出すかボケッ
大声の独り言に女子が悲鳴を上げる



…年上との恋も生まれないようです


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遼太の憂鬱 ©著者:ひぃ('-^*)/

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