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7章:本名を聞いてくる客
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「自分は他の客とは違う
」
「俺はコイツにとって特別な男なんだ
」
と優越感に浸りたいが為に、源氏名を無視して本名で呼びたいのだ
だが気付いた頃には時既に遅し…
痛客は本領を発揮する
本名を教えたばかりの時は許可してないのにメールや電話で勝手に呼び捨てにしてきて
店に定期的に通う様なると、
「他の客にバレたくないから止めて」と言ってるのに店内でも源氏名では呼ばなくなり
ある程度長い期間店に通った頃には調子こいて店内で私の本名を叫んだりする
ふざけんなよマジで
何の為に源氏名があるのか分かってねえな
お前みたいなキモい客に親から貰った大事な名前を軽々しく呼ばせない為に偽名で働いてんだよ
数は少ないが本名で働いてる女の子もいる
けれど大多数のキャストが偽名で働いているというその意味を痛客は全く分かろうとしない
身元がバレたくない等の様々な要因がある中で、私が源氏名で働いている理由は店で知り合った下心剥き出しのキモい男に本名で呼ばれるとゾッとするからわざわざ名前を変えて働いてるのだ
彼氏や男友達、水商売以外で知り合った男にしか本名で呼ばれたくないっ
私から「本名〇〇っていうんだよ」
って言ったわけじゃない。
ほぼ無理矢理に近い形で聞き出してきて、止めてと言ってるのに図々しく呼び捨てにしてそこになんの優越感を感じんの
これだけ嫌がってんのに
「自分は特別だ」ってまだ本気で思ってるのならリアルに心の病気だよ
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痛客名鑑 ©著者:咲
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