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4章:彼女
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4章:彼女
笑っちまうな。
俺に彼女が出来たなんて。
あいつの事は頭にあったけど、俺はすげぇ浮かれたってた。
前から顔は知ってたんだ。
気の強そうな女。
今時っぽい感じだけど、結構カワイくてモテてた。
あいつが陰なら彼女は陽。
『モモカ』っつぅんだ。
モモカ: 吉井君!
吉井: ウッス!
あぁ、前帰りバッタリ会って、何回か一緒に帰った事あるな。
モモカ: 今日、部活の後はなせる?
吉井: あー、別にいいけど?
バスケ部にはちょーかっこいーモテモテ部長がいて、よく練習してっと女がワラワラ見学しに来てた。
モモカもその中の一人だったんだ。
俺はきっと、部長との仲を取り持ってくれ…だと思ってた。
実際、手紙渡してやったりメッセージ伝えたり、いろんな女にやってやった事あったし。
モモカ: ごめんね、疲れてるのに…
吉井: いーよ別に。…何?部長?
モモカ: ううん、違う!
なんだ?
何がしたいんだこいつ?
俺はペットボトルの水、がぶ飲みして返事待った。
モモカ: 吉井君、付き合って!!
思わず吹いたね。
エエエエー!!って感じ。
でも、急に言われてもコイツの事しらねぇし…とか思って。
それに、あいつの顔が浮かんだ。
吉井: 友達からじゃ、ダメ?
モモカ: うんっ!あたし、好きになってもらえるように頑張る!!
よくもまぁ、恥ずかしげもなく言えるなあ。
ちょっと照れたけど、悪い気はしなかった。
それどころか、一緒に帰ったり遊んだりしてるうち、すげぇ好きになってった。
みみ: 吉井くんっ!
吉井: おー
みみ: 最近、元気だねっ?
吉井: まぁなっ…
みみ: 何か、いいことあったのっ!?
あいつは無邪気に話しかけてきた。
何故だか胸がチクッとしたけど、俺は昔のあいつみたいに言った。
何も悪い事してるわけじゃねぇし。
吉井: 彼女できた
みみ: ……えっ?
まさかな!
一瞬、ひきつった気がした。
嫌、それはねぇよ。
あいつは全開で喜んでくれた。
何でか俺は切なくなった。
いや、気のせいだ。
まさかな!
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