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1章:再会 (1/3)

1章:再会

『パパ、しんじゃったの』


あいつは、何にも考えてねぇような顔しながら言った。

俺は頭が真っ白んなって、何も言ってやれなかった。

バカみてぇにでかく見えるランドセルのベルトいじりながら、涼しい顔して隣で歩いてる。


吉井: そっか


道に転がってる小石見つけて蹴っ飛ばした。

そしたら脇のガードレールにぶつかって跳ね返って、反対側の小川に落ちた。


みみ: あはっ、すごいっ!


いつもみたいに笑ったような気がして、隣見た。

そしたら気づいたんだ。


ベルト握る手の、いつも伸ばしてたちっちぇえ爪がグチャグチャになってる。

中指なんか、先っぽ血が滲んでた。

あぁ、コイツ寂しかったんだなって。


何かすげえ悔しくなって、俺はまた小石蹴った。

そしたら今度は当たらねえの。
何度やっても、つまんなそうに転がるだけ。


みみ: もぉ、いいよっ。


吉井: ……

みみ: ゆうき君が好きなのは、バスケでしょ?

吉井: うん!

みみ: サッカーは、だめなんだね?でも、さっきのすごかったよ!

吉井: …

みみ: 川のゴールに、シュートが決まったみたいだった!


顔をくちゃくちゃにして笑うあいつ。


俺は何かムカムカして来て、あいつの手、無理矢理引っ張って走った。


みみ: ゆうき君っ!まってぇ!

吉井: あっちの信号まで、ダッシュ!


コケそうになりながら、一生懸命ついて来た。

なんか手のひらがすげぇ冷てぇの。


みみ: ゆうきくんっ!!


手離して立ち止まった。

俺もあいつも、肩で息してた。


みみ: パパはお空に住む事になったんだ!だから…いっつも一緒にいれるんだ!


あんまりデケェ声出すから、俺はビックリしてあいつの顔見た。


みみ: 見て!あっち!


指指す方見たら、すっげぇデカイ虹がかかってた。


みみ: あれも、パパがやってくれたんだよ、たぶん!!


あいつ、めちゃくちゃ笑ってた。

でも俺は気づいてた。


手ぎゅっと力込めて握って、目に涙がいっぱい溜まってんの。




おいグズ!

お前はそんなに強くねぇよ。

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あいつ ©著者:まお

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