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1章:再会
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1章:再会
『パパ、しんじゃったの』
あいつは、何にも考えてねぇような顔しながら言った。
俺は頭が真っ白んなって、何も言ってやれなかった。
バカみてぇにでかく見えるランドセルのベルトいじりながら、涼しい顔して隣で歩いてる。
吉井: そっか
道に転がってる小石見つけて蹴っ飛ばした。
そしたら脇のガードレールにぶつかって跳ね返って、反対側の小川に落ちた。
みみ: あはっ、すごいっ!
いつもみたいに笑ったような気がして、隣見た。
そしたら気づいたんだ。
ベルト握る手の、いつも伸ばしてたちっちぇえ爪がグチャグチャになってる。
中指なんか、先っぽ血が滲んでた。
あぁ、コイツ寂しかったんだなって。
何かすげえ悔しくなって、俺はまた小石蹴った。
そしたら今度は当たらねえの。
何度やっても、つまんなそうに転がるだけ。
みみ: もぉ、いいよっ。
吉井: ……
みみ: ゆうき君が好きなのは、バスケでしょ?
吉井: うん!
みみ: サッカーは、だめなんだね?でも、さっきのすごかったよ!
吉井: …
みみ: 川のゴールに、シュートが決まったみたいだった!
顔をくちゃくちゃにして笑うあいつ。
俺は何かムカムカして来て、あいつの手、無理矢理引っ張って走った。
みみ: ゆうき君っ!まってぇ!
吉井: あっちの信号まで、ダッシュ!
コケそうになりながら、一生懸命ついて来た。
なんか手のひらがすげぇ冷てぇの。
みみ: ゆうきくんっ!!
手離して立ち止まった。
俺もあいつも、肩で息してた。
みみ: パパはお空に住む事になったんだ!だから…いっつも一緒にいれるんだ!
あんまりデケェ声出すから、俺はビックリしてあいつの顔見た。
みみ: 見て!あっち!
指指す方見たら、すっげぇデカイ虹がかかってた。
みみ: あれも、パパがやってくれたんだよ、たぶん!!
あいつ、めちゃくちゃ笑ってた。
でも俺は気づいてた。
手ぎゅっと力込めて握って、目に涙がいっぱい溜まってんの。
おいグズ!
お前はそんなに強くねぇよ。
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