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11章:花 〜6章 勝敗〜
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雅樹『俺は1秒足りとも忘れた事ないよ?花を。ずっと考えてたよ?花は?』
アタシ『…。』
雅樹『可愛い…
』
アタシ『…バカにしてるでしょ。』
雅樹『する。で…離れた方が良い?』
言葉とは裏腹に
両腕でキュッとアタシを抱きしめた。
ンッ…
温かい…。
ようやくアタシも雅樹さんの腰に手を回した。
雅樹『俺の勝ち♪』
アタシ『負けるが勝ち…』
雅樹『あー
やられた
』
笑い合う。
雅樹『誤解させてごめんな?』
アタシ『もー良いよ。』
雅樹『そっか♪』
雅樹さんの車に乗り込む。
行き先を言わずに走り出した。
どこに向かってるの?
雅樹さんの横顔
無精髭が生えてる。
ちょっと疲れた顔…
おもむろに無精髭を触る。
その手を優しく包まれた。
雅樹『汚ないよな。なんも手につかなくて。とりあえず形的に仕事はした、って感じ。』
アタシ『そ。』
見慣れないマンション
高級そうだった。
雅樹『ようこそ我が家へ。』
雅樹さんち…。
アタシは雅樹さんにエスコートされエレベーターに乗り、大きな玄関に入る。
靴は脱がないスタイル?
白い床に白い壁
白いダイニングにキッチン
白いソファーと大画面のテレビがあった。
アタシ『わぁ…』
雅樹『何飲む?ココア?』
アタシ『アイスで。』
夢を見てるみたいな感覚
ボヤ〜ってする。
あまりにも完璧なインテリアに見回すしかない。
雅樹『最初は落ち着かなかったよ、この部屋(笑)今は慣れたけど。』
アタシ『わかる…。展示会みたいだもん。』
雅樹『1人になったとき、この部屋に引っ越してきたんだ。結婚しよう、なんてさらさらなかった訳じゃないけど。気づいたらこの年まで独り(笑)独身貴族なんて、今の時代言わないもんなあ。』
アタシ『華さん…は来た事ないんだ?』
雅樹『ないよ。』
アタシ『華さんと別れてから引っ越してきたんだ?』
雅樹『…そうだよ。』
アタシ『他に誰か来た?』
雅樹『来た』
アタシ『女の子?』
雅樹『んー、女の子』
アタシ『…』
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花 と 華 ©著者:愛希
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