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9章:花 〜5章 ゴタゴタ〜 (11/11)




アタシ『やだってば…』


自然と涙が溢れて
地面にへたりこむ。

コンクリートは
寝間着だと冷たかった。




アタシ『雅樹さんに振り向いてほしくて…いろいろ考えて。疲れちゃったよ。追いかけられる恋愛しかしなかったからね…。でも、もおわかったから。アタシ、プロポーズされてるんだ。前彼にね。1度は断ったんだけど…、うまく言えば元サヤに戻れる気がするからさ。アタシ安心したいんだ。不安だらけより。』



雅樹さんは黙って聞いていた。






アタシ『だから、遊び盛りの雅樹さんとはタイミングが合わなかったみたい。大丈夫、またクラブには行くからさ。』


雅樹『花、ごめん…。別れるなんて、出来ないよ』



アタシ『最初から遊び友達だった、と思えば!?だってさ、取引先のお嬢さんにあんなしないでしょ。』



雅樹『そうかもな。じゃあ、どーしたら良いんだよ。』



涙は演技ではないけど
ここまでは計画のうち
想定内だ。



アタシ『しばらく会わない…。雅樹さんが本当にアタシを好きかどうかわかったらまた声かけて。アタシはアタシで待つ義務はないから。雅樹さんがもし、声かけてくれた時に間に合うかはわからないけどね。』





雅樹『…わかった。』



アタシ『雅樹さんは素敵だから、たくさん言い寄って来る人いるし、アタシなんて、通りすぎる人のうちの1人かもしれないし…。寒い。さすがにこの格好…。じゃあ、またクラブでね♪』



立ち尽くす雅樹さんの頬っぺたに軽くキスをして家に入った。





ここまでは計画通り…


本当に戻って来ないかもしれないって恐れもあるけど。
もし戻って来た時は
本気で愛してくれるはず。

花に夢中になるはず







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花 と 華 ©著者:愛希

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