8章:華 〜４章 モヤモヤ〜 (12/12)

何日か過ぎ
ようやく病院で検査した。
もちろん陰性だけど
治療をしなくてはならなくなった。
生まれつき卵が少ないらしい。



まだ２０代
子供は産みたい。


次回生理がきた時にまた検査をする事になった。





そういえば昔
お母さんがｱﾀｼを妊娠する前に１人死産した事がある、と聞かされた。

その何年後かにｱﾀｼを妊娠した。
それからまた何年か後
子宮けいがんになったらしい。

遺伝するのだろうか。
しかも
産む前にしてしまうのだろうか。



なおには
確実に〈陰性〉だって事だけを知らせた。

複雑な様子だったけど
なんの準備もなく妊娠するよりは、なんて話をした。



万全な準備がどんなものか適正なのかはわからない。
気休めかもしれないけど、心の準備はしたい。





なお『華さん、また次…ね。次の時は産んで。』


大事な言葉
一緒になろう、とはまだ言われていない。
時代が時代なのかな。




拘ったらいけないのかな。




女性は不安がる生き物だから、省く場所を間違えば致命的だ。

なおはまだ、そこまでわからないのかな。





兄貴が来日して半月
なんとなく、ボヤ〜としたデザインまでは出来上がって、帰国してからサンプル作りに入る。

そして１ヶ月後
サンプルと一緒にまた兄貴が来る予定だ。




最後の今日
佐知子カップルと、雅樹と５人でディナーをした。

兄貴の希望であのイタリアンに。



このﾒﾝﾂで来たの、いつぶりかしら。