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6章:華 〜3章 年齢の壁〜 (13/13)




アタシは追いかけなかった。



自分のグラスと
なおのグラスを一気に飲み干し、雅樹に会わずに帰った。


家につくと
オートロックの前で
なおが踞っていた。



アタシもどうして良いかわからなかったから、ロックを解除して入ろうとした。




なおが顔をあげる。
虚ろな目をしてアタシを見上げた。



しばらく固まる。





先に口を開いたのは
なおだった。




なお『華さん…俺』


アタシは黙ったまま。




なお『あいつと別れる前から、華さんへの気持ちが止まらなくて…連絡先書いたコースター渡したあと、理由言わないで、あいつに別れを告げたんだ。』



アタシ『とりあえず…』


なお『ずっと…華さんしか頭になくて。そうしたらいつの間にかあいつが鬱陶しくなって…。何かされたわけじゃないのに、嫌いになっちゃった。華さん以外見えなかったんだ。話した事もないのに。』


アタシ『とりあえず…入ろう?』


なお『まだ、これからも…好きでいて良いですか…?』




アタシはなおの前に同じようにしゃがんで頭を撫でた。



アタシ『なお?女の子はね。ちゃんとしてあげなきゃ、ダメなんだよ?それでなくても、不安がる生き物なんだから…。』


捨てられた子犬みたいな目をしていた。




アタシ『今が言うタイミングじゃないけど、アタシはなおが好きよ…』



落ちそうな瞳
勢いよく抱きつかれて
しりもちをついた。





アタシ『なお、痛い…』


なお『華さん大好きだから…』


アタシ『わかってる…部屋行こう。とりあえず』



なおに抱えるようにして起こされた。
アタシには今まで感情的になる事はなかった、なお


なおもやっぱり
人間だったんだな…。



内容が内容だけど
ちょっと安心した。





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花 と 華 ©著者:愛希

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