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4章:華 〜2章 気付き〜 (10/10)





その日初めてアタシ達は
裸でお互いの気持ちを受け入れるかのように
抱き合った。

涙が出そうだった。



1つになった時
男の目と優しい目とが交差した目でなおはアタシを見ていた。


お互いの呼吸が交差する時


背筋がのけぞった。






なお『華さん…』




バージンかと思うくらい
初めての事をした感覚になった。

sexって感じではなくて
なんだかうまく言えない。




少し汗ばんだ肌と肌を合わせながら呼吸を整える。
アタシはなおの顔を見ずに
その分厚い胸板に顔を押し付けた。

恥ずかしいような
愛おしいような
くすぐったい感覚を
眠りにつくまで味わって。






やっぱりなおの方が早起きだ。



なお『華さん…』


ふいにキスをされた。




アタシ『なお…』



なおはもう職場の作業着に着替えていた。





アタシ『もぉ、行くの?』


なお『もぉって今何時だかわかってる?』


アタシ『え?』


なお『華さんは大丈夫だろうけど俺はまんまと寝坊だよ(笑)』


アタシ『アラーム…』


なお『かけてないよね(笑)』



アタシ『わーごめん。気をつけてね


なお『行ってきます





アタシはまだ微睡んでいた。

昨夜の光景が鮮明に甦って
恥ずかしさのあまり
タオルケットを被る。




温めたい…
この気持ちを…。

何か、確かな保存方法が知りたい。





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花 と 華 ©著者:愛希

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