9章:変化 (4/5)

一週間後。

起床とともにケータイをチェックすると春名さんからの不在着信。

時間は３時間前。

かけ直すのもなぁ…と思いながらまたメールを送った。

【電話なんだったの？】


返信はなく、またなんの電話だったのかわからずじまい。

それ以降、私は徐々に変わっていった。

気がつけば春名さんへの異常な執着は薄れていて、ずっとやめられなかった一方的な連絡をしなくなった。


そしてお酒の量がどんどん減り、深酒なんてしなくなった。

飲まない日もあるぐらい。

飲んでもほろ酔い程度。


新しい友達もできて、新しい世界ができた。

今まではなにもすることがない日は家で一人でお酒を飲み続けていたけど、友達が増えて交遊幅が広がると予定が増えたり飲みに出かけて楽しいお酒を飲むようになった。

外出が増えたり外で飲むようになるとお金がかかるから、仕事もコツコツがんばるようになった。

そうしてどんどん私生活が充実していくと、次第に必然的に春名さんのことを考える時間はなくなった。