3章:抜け殻 (2/7)

あのお店を辞めて２ヶ月が経つ。

新しいお店にも慣れて、だんだん生活を取り戻せてきた。

まおちゃんと疎遠になり、凛ちゃんもなんだか大変そうで必然的に仕事と家を往復するだけの毎日が繰り返される。

なにも感じないわけじゃない…
だけどそれだけを重視し続けるわけにはいかない…
時間は流れていくんだから。
もう終わってしまったんだし…

だから、私がお店を辞めれば何かが変わる気がしていたんだよね…

小島さんからの最終通告を受けたあの日感じた直感はこんなにも早く現実となった。

平凡に過ぎていく毎日。

それでも私は未だに、無償になんとも言えない気分に襲われることが度々ある。

時々、春名さんへの感情が過剰になる。

あのお店のＨＰや春名さんのブログをチェックする回数は尋常じゃない。

なにかにとりつかれたみたい。


ねぇ

あなたはこんな私を異常だと思いますか？

まっすぐな恋心をこんな執着心に変えてしまったのはあなたでした。

それでも私はこの気持ちが今でも恋心であると信じたい。

あの時あの場所で一緒に働いていた月日が色褪せることのない思い出になるように…