9章:悲劇 (4/23)

『なんで？なんで今頃そんなこと言うの？ねぇなんで今なの！遅いよ！』

「だから亮くんに口止めされてて、」

『亮くん亮くんって、亮くんと別れたのいつの話よ！別れた時点で言うこと聞く必要ないじゃん！それに亮くんはもうとっくにホスト辞めてるんだからその時に教えてくれてたって潰しにはならなかったじゃん！』

「知らないままの方が杏にとっていいのかなとも思ってたの。でも、もうあまりにもつらそうだから。もう真也くんきりなよ。未来なんかないよ？」

『大体さ、真也は本当に彼女いないってまいちゃんが散々言ってたんだよ！あれはなんだったの！もうなにがなんだかわかんない！』

「落ち着いて。確実に言えるのは、杏は色カノなんだよ。騙されてるの。もう真也くんとの関わりは断って人生やり直さないと」

『そんなこと…そんなこと今頃言われたって…もう今さら…』

「大学も行ってないよ。杏には実家って言ってるけど繁華街の近くで一人暮らししてる。客に外で会ってって言われた時に交わすためのベタな嘘。もう目覚ましなよ」

『なにそれ…それも嘘ならなにもかもが嘘じゃん…』