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1章:回想
縫い針を衣服に通す時のように驚くくらい自然に体内が刃物を受け入れた。
刃が根元まで侵入し、包丁の持つ部分が皮膚にぶつかる瞬間の衝撃まで、痛みはなかった。
刺しきって、その衝撃の反動で影と自分の距離が離れ、そのまま影は駅の方に走っていった。
―ホストだから
確かに、過去を思い返すと恨まれていても仕方ない事象はあった。
ジンと名乗るこのホストは主に色恋を生業とし、数々の女を惚れさせてきた。
ジンには誇りがあった。
記念日を忘れた事は一度もないし、どのホストよりお客様に対する感謝の気持ちを持っている自信があった。
誕生日はもちろんの事、
出逢ってから○日記念
初指名から○日記念
初シャンパンから○日記念
来店○回記念
デート○回記念…
女の子以上に何でも記念日として記憶していた。
そんなジンには唯一惚れた女がいた。
メグミ。
病弱で店に来た事はほとんどなかった。
「俺がホスト辞めたら結婚しよう。」
約束は叶う事なく、メグミは他界した。
白血病だった。
二人が出逢ってから9ヵ月後、メグミの誕生日を目前にしての死。
ジンは落ち込み、営業を3日休んだ。
…あと500メートルくらいか。
ジンは何事もなかったかのように歩き出した。
血は、出ていない。
痛くもない。
今日はメグミの命日だった。
しかし徐々に身体の神経は脳に異常を訴えだした。
段々痛みも酷くなり目眩がしてきた。
包丁を抜けばおびただしい量の血が出るだろう。
包丁を隠しながら歩く。
次第に足取りは重くなり、寺まであと50メートルを切る頃にはお年寄りのような僅かな歩幅になっていた。
寺を見据え目をカッと見開き、次に弱々しい目つきが交互に繰り返される中、脳内でジンというホストの人生が思い出されていた。
20歳でホストになった。
初指名はマサコという年上の女だった。
何回も美味しい店に連れて行ってもらったな。
ああそうだ
あの時食べた焼き肉は人生観を変えたな
初めてシャンパンを入れてくれたのはヤエでブランデーはミサだ
なぁ
メグミ
もうすぐ、行くから…
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残された約束 ©著者:kakeru
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