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13章:発覚 (6/6)

どのくらい時間が経っただろうか。


沈黙の時間は実際そうは長くなかっただろう。


それでも今の私には2時間くらいに感じた。


すると美優さんが私の気持ちを察し補足するかのように続けた。


「会えないのは寂しいって樹里の気持ちはわかるわ。多分コウだって同じ気持ちだと思うの。でもこればかりは私にもどうにもしてあげられないの。あの人に見つかったのは本当に失敗だったわ」


美優さんの言葉もぼんやりと霧に包まれたかのように感じる。


「…樹里?聞いてる?」


「はい…」


間の抜けた返事をすると美優さんは眉をひそめた。


「しっかりしてちょうだい。貴女が気丈で居ないと駄目でしょう?」


美優さんに叱咤され心が少しだけ正気を取り戻した。


「…とにかくここ最近のコウは性急だったわ。いきなり将来美容師になるって言い始めて、美容の専門学校の資料を凄い勢いで集めたりしてたのよ。勿論、私はコウのやりたいようにさせてあげたいけどそれには主人を説得しなければならないから少し待つように言ったんだけど聞かなくてね。それに外泊も増えてたから主人も様子がおかしいとは思っていたみたいで色々と聞かれてたの。その都度誤魔化してはいたんだけどね」


「そう…だったんですか」


まさか私の知らない間にそんな事が起こってたなんて…。


「樹里?今、私達がどう動いても事態は好転はしないわ。つらいとは思うけど少しの間我慢しなさい。いいわね?」


「はい…」


美優さんの言う通りだ。
ここは少し時間を置くしかない。


「いい子ね。コウの様子はちゃんと報告するから安心して。主人の事も少し落ち着いたら説得してみるから」


もうそれしか今の私には道が残されてない。


美優さんに全てを任せよう。


「…お願いします」


そう言って頭を下げた。


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